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2011/04/25

それってなあに

君と僕は、似ているところがある。
それを君が好むかどうかは別として。

そんな僕は、若かりし頃の自分を見ているように、君を見ている。

君には、早く、抜け出してもらいたい。
君に知ってもらいたいんだ。
自分の作品を世の中に出す恐れよりも、
それを幾度となく繰り返して行く道中にある、様々な出逢いと感動を。

自分はもしかして感性に溢れた天才的な才能の持ち主なのではと思う瞬間と、
自分はなんてとるに足らない戯れを続けている才能なしなんだと思う瞬間。
それは、僕らのような人間に毎秒、毎分、毎時間に囁かれる天使と悪魔の声だ。

けれど、続けていく時間の中で、きっと君は楽になる時を知るよ。
僕らの仕事が、表現すること、それ自体ではないと気がついた時にね。

僕らの仕事は、作品を介在に
見知らぬ誰かの心とコミュニケートできる、ラッキーな仕事。
それと同時に、人から評価されるっていう恐怖がつきまとう仕事なんだ。

でも、今迄もそうだろう。

恥と最高を繰り返しながら、僕らは成長してきたはずだ。
辛いと嬉しいをたくさん感じてきたはずだ。
だって一年前、いや、もっとずっと前の自分に比べれば、
今の自分は柔らかくなっているだろう?
僕自身、50代を目前にして自分が大きく変わってきたよ。
今日に至る迄にたくさんの失敗と辛酸を舐めてきたような気がするけど
闘い続けていたら段々と楽になってきたんだよ。
プライドで塗り固めていた心が柔らかくしなやかになってきたんだろうと思う。

君はまだ、26歳だろう?
君に初めてあったのは、確か、22歳?
その時の君と今の君も、もうすっかり、いや、随分と変化しているよ。


こんなことが起きてしまった、世の中。
君は、自分の作品について少なからず恥やジレンマを感じているような顔をしている。
恋や愛や、若者の孤独や、盲目さについてを描いた作品が、
自分自身から生まれてしまったことにね。

でも、まってよ。
ちがうと思うんだ。

僕らがつくろうとするモノは、いかなる歴史の中でも、
いつだって”生きるためにもっとも不必要な産物”だったはずだ。
社会性のあるなしじゃないんだ。
芸術なんて、本当は生命には関係のないものなんじゃないかな?
ちなみに、僕は芸術という言葉が大嫌いだ。
今は便宜上、つかってみたけどね。
失敬 ー。



いつだったか、君が今日と似たような顔をしている時があったね。
僕は覚えてるよ、あの時の君が呟いたことを。

 自分は、まるで霞を喰うように、世間の役にも立たず、
 家族の役にも立たないままに日々を暮らしています。
 わたしが長い間してきたことは、なんて無駄なことなのだろうと思います。
 いつだってやめてしまいたいと思います
 でも、やめられずにズルズルきてしまった。
 飽きっぽいわたしが、唯一続けてこられたのがコレなんです。
 こう表現するのは、綺麗事だってわかっていますが。

たしか、こんな感じだったかな?君が言ったのは。

「君が憐憫を抱えるのは、勝手だ。」

そうやって突き放してしまうことだって、僕にはできる。
でも、しない。
だって、僕たちみたいなある種の世の中の役立たずは、
きっと全員、どうしようもない自分自身に憐憫を抱えているからね。


長くなった。

そして僕らの会話は混乱に迷い込みはじめているね。
だから珈琲を飲み干して帰り支度をする前に、これだけは言っておこう。

君はこれからもずっと、迷いと怯えを抱えていることになるかもしれない。
けれど、誰かが君に、ソレをやれって命令してる訳じゃないんだ。
だから、君よりも数十年先を生きてきた僕が言えることは、まあ、一つかな。

信念の置き所が、心を強くしてくれるよ。

じゃあ、『信念』がなんなのか。
それは、決心して持てるものじゃあない。

それはね。
だたじっと、黙って、ひたひたと。
考えて考えて、前に進み続けていたあと、君が後ろを振り返った時に、気がつくもの。
まあ、そんなもんだよ。

最初にも言った。
君と僕は似ているところがある。
飽きっぽい僕が、唯一20数年間続けてこられたのが、演劇だ。

君にとっての ”ソレ”は、なに?

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