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2013/12/07

パッションよ、いずこへ

《 写真じゃないアルバムもなかなかいいかもしれない 》


 彼のように何かに熱中したことが、ここ数年のわたしにあっただろうか。

 甥は現在5歳。毎月、何度も我が家に遊びにきては、たくさんのお絵描きをして帰っていく。
 スケッチブックなどに描いてあるものもあるけれど、ほとんどはコピー用紙の裏だったり、小さなメモ帳の切れ端だったり、広告の裏紙だったりする。彼が絵を描きたいという衝動に駆られた時、大人たちはすぐさま紙を用意しなければならないので、急いで用意できるのは決まって身の回りにある日用的な紙になるからだ。
 甥は紙を得ると、すぐさま描きはじめる。躊躇しない。子供特有の集中力がきれるまでは一心不乱に描いていく。しかも彼は『どんな紙に描くか』ということに関しては、ほとんど頓着していないようで、わたしはそこがすごくいいなと思っている。まるで、インスピレーションが湧くままに絵を描かずにはいられない、本物の画家のようだからだ。
 現代画家の奈良美智さんのアトリエ風景を、昔ドキュメンタリー映画で観たことがあるが、奈良さんのアトリエはとても散らかっていて、紙切れや机や壁にもイタズラ描きのような絵が至る所に残っていた。わたしの甥が見せる絵描きとしての姿は、そのアトリエの風景にすこし似ているように思う。
 そうして衝動的に描かれた数々の絵は、我が家の至る所にちりじりに保管されていたり、おもちゃ箱の中に紛れ込んでいたりもする。だから、「あの時描いていた『あの絵』をもう一回見たいけど、どこにやったかな?」ということが、よくあるのだ。

 年末にかけて早めの休暇に入っているわたしは、これまでに甥が描いた大量の絵をきれいに整理する作業をはじめた。
 写真で成長記録を見返すように絵にも今日に至るまでの時間がつまっているように見えるから、甥の描いてきた絵は、すべて、捨てられない。見返していると、大人たちが描いた絵に色塗りをはじめた、最初の時期があったなと思い出す。それから、小さな手で一から自分の絵を描きはじめた時期があった。今では、画用紙いっぱいに、はみ出さんばかりの大きな絵を描けるようになった。

 ここ2年ほど続いている甥の絵を描く情熱は、見ていて感心してしまう。というよりも、むしろ、わたしは彼のもつピュアな情熱がうらやましいのだろう。
 わたしは今、何かに無我夢中になりたい。

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